やりっぱなしではなくフィードバックを得よう
どんな分野のどのような技術の持ち主でも、最初から上手にできる人はいません。さまざまな経験や失敗を重ねていきながら技術に磨きがかかっていくのが通例です。ホームヘルパーの場合、利用者の自宅に訪問し、食事を作ったり、オムツ交換をして帰ります。その結果をみることができるのは、利用者の家族や次回訪問してくる別のホームヘルパーです。オムツ交換があまり上手にできていなかったとしても、失敗をホームヘルパー自身が知ることはできません。そのため、ホームヘルパーの技術向上が難しいという問題があります。
施設の場合には、失敗を通して学ぶこともでき、ほかのスタッフを見てやり方を学ぶことも可能です。しかし、ホームヘルパーはそれが難しいため、利用者からきちんとした評価を直接言ってもらうことが成長する上で必要です。クレームや評価は自分の糧にすることができます。加えて、評価向上には自分の仕事で本当に満足してもらっているのかを常に心がけることが重要です。
仕事終わりに介護記録をつけたら、利用者に満足してもらえたか、何か気になることはなかったかと問いかけることも大事です。しかし、利用者は遠慮してなかなか本当のことは口にしない場合もあるので、サービス提供責任者を通して月に1度ぐらいは満足度を聞いてもらうようにしましょう。
また介護の質の向上のためには、かわいそうな人、気の毒な人という意識をなくすことが重要です。その気持ちを持ってケアしているとクレームを素直に受け取ることができなくなります。自分がいずれ介護サービスを受けることになったとき、どんなことをしてもらえたら嬉しいかを考えていくことが重大切です。